今、この世界は動いております。
それは大きな波が、今までの概念を洗い流す勢いです。
この世界に関しては、大変オーソドックスでとてもその様な変化はないと考えていた
諸氏も多い事と思いますが、さにあらず、それは経済活動の果てに生まれた
ごく自然発生的な動きかも知れません。

しかしながら、この様な変化にはいささか抵抗のあるシンプル派もいらっしゃる様で、
そう申す私などもその代表格かも知れません。
「銃とは、昔からのスタイルが理想! あのピアノのように、昔と殆ど変わらぬスタイルでも
大衆に愛され続けているのと同様に・・・などなど・・・」

しかし、その様な考え方で居ても、見逃せない新機構を備えた新鋭達には、
正直言って、どうも気になる事態であることは確かであります。

まずライフルスコープ、数年前から多くの新機種が各メーカーから誕生しております。
それは更なる高級化思考・・・1インチチューブは影に潜み、30mmチューブ化が数年前から
急速に活発化して、現在では新機種はこぞって30mmに対しての新製品が市場を
圧倒しております。つまり、1インチチューブにおいての新機種、改善には消極的な傾向で、
悪までも30mmについての改革が始まっているわけです。
今となっての1インチチューブは、メーカーサイトにおいては、早く在庫整理して、重荷を
捨て去ってから、全てに機種を30mmで出直したいと考えているのではないかと、
いささか卑屈とも思える考えが浮かんできてなりません。
この1インチなどは、空気銃用として定着すれば合理的と考えておりますが、
その1インチへの改革が進まないのであれば、仕方なく30mmから選択している状況です。
確かに一昔前には、あんな重たい30mmをなぜ作るのかと、嘆いていた老舗店が居りました。
しかしながら、今となってはその様な事は言わないでしょう。それは軽量、コンパクト化が、
更なる追い打ちになっており、こんなに小形でも、こんな性能が・・・なんて事になって
いるからです。
そんな中でのマーチスコープは、世界中の手本となっているのではないでしょうか、
1インチには見向きもせず、30mm、34mmに絞っており、特筆すべき点は、
殆どがパララックス フリーである事!、更にその倍率比を10倍としたことです。
例えば、1−10倍、2.5−25倍などで、射撃場でのスポッティング スコープを無用とし、
猟場では、動く標的から遙かに遠い遠射までを、軽量小形にものを言わせてオールラウンド化
した先駆者となりまして、他社にも大いに刺激になっている様です。

マウントリング関係では、20mmベースが本腰をいれてきた様です。
ライフル、スラッグそして空気銃にまでその傾向は強まっており、有名ライフルメーカーも
新銃からは20mmベース装備が当たり前となってきております。
装薬銃のマウントリングの問い合わせに対しては、可能な限り20mmベースに替えてからの
スコープ選びを奨めております。
なぜ20mmなのか? それは私が20年も前から唱えていた事ですが、20mmにした途端に、
世界中のマウントが、どの様な銃器にでも取り付くからです。空気銃などでは、
11mmと20mmどちらでも取り付くベースを装備しているメーカーも増えております。
そして、マウントリング製作者も、この20mm対応のバリエーションを急速に増やしており、
自身に合った高さの選択肢も何倍にも期待できます。
ただし、メーカーによってはその幅が以外とまちまちなのには驚きます。世界規格においての
基準がないのでしょう・・・と言うか、メーカー自身に、世界的に通用する数値が解らないまま
見切り発車製作しているのではないかと感じております。
要するに、20mmと一口に言っても、どの部分で爪を圧迫束縛するのかを熟知してなければ
ならないことを、ただコピーしている果てには、必ず落とし穴が待っている訳です。
その落とし穴にはまったマウントでは、当然として幅が違った接合となりますので、
着弾点のズレが生じ、ゼロイン以外の距離での着弾は左右に散らばる結果となります。
これを避けるために、両方から平均的に締め上げる縦割りや一体型マウントリングが
要請されることになるわけです。つまり、従来の片爪式では不安だと云うことです。

空気銃では、あのスプリング ピストン銃に大改革が起こっております。
この銃種の最大の悩みである、折れや減衰に変わるあのガスラム式が、様々なメーカー採用
される時代が来ました。たぶん特許権が緩和されたのでしょう。現在ではほんの数百ドルで
ハイパワーなガスラム(一部ニトロなどとメーカーによって呼称)が入手出来ます。

PCP(プリチャージ)においての改革点は、高精度なレギュレーター装備でしょう。
また、そのスタイルにも大きな変貌を来しております。
Bullpup(ブルパップ)と言われるスタイルで、主にタクティカル(戦略的)な分野で昔から
採用されていたスタイルですが、なぜか今、各メーカーこぞって参入しております。
かって我々が世界に先駆け、このスタイルで空気銃製作してきましたが、今になってなぜ?
世界でも軽く短く取り回しの良いものが求められていたのでしょう。世界的な高齢化??
これからのPCP選びでは、スタイルだけではなく、その内容に留意することが肝要でしょう。
闇雲に、人やお店のお仕着せの言葉に乗って、大変な迷惑となった被害者が増えております。
そこで一番大切なことは、自身がどの様な目的をもって所持するのか考える事です。
一度じっくり考え直してはいかがと感じる事態が余りにも多すぎます。

何かご意見、ご質問がありましたならば、お気軽にお電話下さい
090-1696-2186 山口